メルカリを退職しました
これは何?
いわゆる退職エントリです。タイトルの通り、今月末でメルカリを退職することになりました。
一度の離脱を挟んで足掛け5年勤務し、今日がメルカリの最終出社日でした。大変お世話になった会社なので、感謝の意を込めて個人的な振り返りを書き残しておこうと思います。
注記:ネガティブな内容はほぼ出てきません。「退職」という文字を見てネガティブな内容を期待されて記事を開かれた皆さま、ご期待に添えず申し訳ありません🙇
おまえ誰?
ML_Bear と申します。最近は機械学習エンジニアを名乗りつつ生成AI驚き屋も行わせていただいております。
メルカリ入社当初はデジタルマーケター兼データサイエンティストでした。後述の通り、メルカリ在籍中に機械学習エンジニアへのキャリアチェンジの機会をいただきました。
メルカリで何をしてたの?
ざっくりいうと、前半はデジタルマーケター兼データサイエンティストとして、後半は機械学習エンジニアとして働いていました。
メルカリには上場 (2018年6月) の熱気が残る2018年9月に入社しました。同じ月の同期入社が50人ぐらいいてびっくりしたのを、昨日のことのように覚えています。
細かい仕事内容を紹介するとキリがないので自分の ポートフォリオページ に譲るとして、印象に残っているのは以下の点です。
- デジタルマーケター時代
- 非常にアグレッシブなマネージャーや同僚と共に、メルカリの膨大なデータを活用して、デジタルマーケティングやCRMのコスト削減プロジェクトに携わっていました。
- メルカリ入社前はみたことがない量のユーザーログや大きな広告予算を活用できる環境は非常に刺激的でした。
- よちよちKaggler時代
- きっかけは忘れてしまったのですが、2018年ごろからKaggleにハマって機械学習の勉強をしていました。
- 仕事でも機械学習を使いたいと思い、Kaggleで得た知識を活かしてしれっとクーポン配布モデルを作ったところ、運良く成果を出すことができました。
- ありがたいことに、そのまま機械学習エンジニアとして働ける機会をいただき、無事にキャリアチェンジを果たせました。
- メルカリ 2nd シーズン
- 一度メルカリを退職して1年ぐらい経った後に、諸事情あってメルカリ復帰の機会をいただきました。
- 商品レコメンドの改善に携わらせて頂き、Google Cloudのさまざまなプロダクトを利用して実運用に耐えるレコメンドシステムを実装する方法を学ばせていただきました。
- この頃はどれだけ甘く見積もっても半人前の機械学習エンジニアだったので、お金をもらいながら勉強させていただいてた感じでした。
- 機械学習エンジニアとしての可能性を大きく広げることができ、メルカリに復帰して良かったなぁと思う日々でした。
- この頃のプロジェクト例
- 生成AI驚き屋時代
- 興味が移ろいやすい僕は生成AIブームが来た後は生成AIの方に興味関心が移ってしまいました。
- 運よく社内に生成AIチームが立ち上がっていた時期だったので、少し (めっちゃ?) 無理を言ってそのチームに異動させていただきました。
- 社内向けの生成AIプロダクトの改善や、通常の機械学習モデルでは難航しそうなプロジェクトへの生成AIの活用を行っていました。(プロジェクト例: LMを活用した大規模商品カテゴリ分類への取り組み)
- 生成AIの黎明期から、実務の中で生成AIに触れる機会を数多くいただけたのは幸運以外のなにものでもないと思っています。
メルカリの良かったところ
- 挑戦を許容する文化
- Go Boldというというミッションのもと、さまざまな刺激的な課題に大胆に挑戦させてていただきました。これは上記に書いた内容から理解していただけるかと思います。
- 飽き性の僕が5年も飽きずに、半分仕事半分勉強みたいな状態で長らく仕事させていただいたのは奇跡だったと思います。歴代のマネージャーの皆様ありがとうございました。
- 在職中に機械学習エンジニアへのキャリアチェンジに挑戦する機会を与えていただいたことには言葉にならないくらい感謝しています。
- 多様性
- 国籍もバックグラウンドもさまざまな人材がいて、いろいろ勉強させていただきました。語彙が少なくて小並感で大変恥ずかしいのですが笑、世界がすごく身近に感じられるようになりました。
- 英語が公用語化されたこともあり英語の勉強もサポートいただいて少しは英語が話せるようにもなりました。ただ、込み入った議論はまだまだできないのでさらに研鑽が必要だなと痛感しています。
- 性善説の文化
- さまざまなルールが基本的には性善説で運用されていました。
- 無駄なルールがあまりなく、社員を信頼している感じが心地よかったです。
- たまにヤンチャをする人もいましたが、全体としては無駄なルールが少ない方が効率的だろうなと感じています。
- 技術広報への力の入れ方
- 少し細かい点ですが、会社として非常に技術広報に力を入れていました。
- 社内で行なったプロジェクトの発信を何度もサポートしていただけて嬉しかったです。
- もろもろの待遇
- 具体的な金額は伏せますが、みんな大好き給与の話も少し書いておきましょう。(綺麗事ばっかだとつまんないですしね)
- 内資として給与待遇はかなり良いほうだと思います。OpenSalaryとかに載ってる情報は当たらずといえども遠からずだなーと思います。(上のほうのグレードの金額帯が妥当かどうなのかはわからない)
- 給与以外にも、Sick Leave (傷病休暇)、好きなPC支給、フルリモート環境など、エンジニアとして非常に働きやすい環境を準備していただいており、文句のつけようがないです(絶賛)
なんで辞めるの?
会った時にでも聞いてみてください😇
って書くと意味深ですが、あまり深い意味はありません。5年間、同じ会社の中で全力で走り続けて、少し考えが凝り固まってきちゃったので、そろそろリフレッシュしたいなー、みたいな感じです。
あえて一点だけ触れるなら、会社の成長に伴う環境の変化は退職を決めた要因の一つでした。メルカリが成熟した組織へ成長する現場に立ち会えたことは嬉しく思います。その一方で、スタートアップならではのある種の混沌とした熱気が少しずつ落ち着いていったこと、そして、昔から一緒に働いていた友人たちが1人また1人と去っていったことは、寂しくなかったといえば嘘になるかなという感じです。
辞めたあと何すんの?
まだ決めてません。
とりあえず久しぶりにKaggleやったり、今書いてる本の仕上げを行ったり、時間の余裕がある時にしかできないことをたくさんやろうと思っています。
次の挑戦は半年ぐらいかけてゆっくり決めていければいいかなと。早く決まれば良いに越したことはないですが、焦る必要もないのでドーンと構えておこうかなと思っています。
え、本書いてるの?【PR】
そうそう、途中で放り出したら恥ずかしいなと思って言ってなかったのですが、去年WEB版で出した本を、実際の本屋に並べる書籍として書き直してます。
WEB版にAIエージェントの章だけ加筆すりゃいいやと思って安易な気持ちで書き始めたのですが、書き始めてすぐLangChainが記法変えてきたり、OpenAIがじゃんじゃん新機能だしたり、挙げ句の果てに地球上では無敵だと思ってたGPT-4に匹敵するモデルが複数登場してきたりと変更だらけだったので大変でした。
夏前には本屋に並ぶと思うので、良かったら手に取ってみてくださいね。
おわりに
取りとめのないエントリを読んでいただいてありがとうございました。そして宣伝につき合わせてすみません。
5年間の思い出など到底1つの記事に書ききれないので、またお会いした際にでも色々お話しさせていただければ嬉しいです。
ではでは。